伊那谷の風景×something

伊那谷オープンカフェproject 辰野町 川島

箕輪町の下古田地区で始めたオープンカフェ。

話を聞きつけて、辰野町でもやってくれないか、という話を頂きました。

候補地として案内されたのは、草ぼうぼうの資材置き場。対岸から緑が迫ってくる、川沿いの空き地です。

依頼をくれたのは、地元の新聞社、共和堂さん。草地の奥には小横川が流れ、整備をすればいい場所だと思って手に入れたそうです。うん、たしかに。スタッフみんなで、この場所をどう生かそうか、考えます。

この場所の最大の魅力は何だろう。遠景は望めないものの、谷の地形の中で、迫りくるような緑と、その下をゆるやかに流れていく小横川。十分泳げる水量ときれいさ。水辺のカフェで考えてみようということになりました。共和堂さんにもご参加いただき、膝丈ほどの草をみんなで刈り払い、熊手で寄せていきます。

奥が手を付けていない部分。手前が借り払った後です。足元は、場の印象を決めるかなり大きな要素だという事が、このあたりからわかってきました。朝刊を配達してそのまま参加して頂いた共和堂のスタッフの方、朝ご飯を持ってきてくれた方。今更ですが、松茸ご飯おにぎり、すごく美味しかったです。

そして迎えた当日。地元の人でも分かりにい場所で、どの位お客さんが集まるか心配でしたが、新聞にチラシ折り込んでくれたこともあり、100人を超えるお客さんが来てくれました。

主に大人を想定していたのですが、赤ちゃん連れのご家族にもずいぶん来ていただきました。

地元でハープを演奏する、原田さん。

ヨガ教室も開かれました。

foodも充実していました。本格カレーを出してくれた彼は、このあと北海道で店をオープンします。このほか、ホットサンド、48”ヨーグルト、かき氷、パン、ドラム缶ピザなども。

今回一番いい席はここ。やるなぁ。川の中に席を作って楽しんでいました。

地域の名水、徳本水。今回のカフェメニューには、このお水を使いました。

楽しい一日でした。

後日、8月30日付け信濃毎日新聞に、私たちの取組に対する感想と思われる投稿がありました。 辰野のオープンカフェを、とても楽しんで頂けたようです。
うれしい投稿でした。
少し長いですが、ご紹介します。

「緑の中のカフェ 気分がゆったり」
先日、一日だけのオープンカフェが誕生しました。いつも歩いて通る場所ですが、草が茂って静かで何の感動もないところでした。ところが行ってみると草を刈って広くなり、初秋の太陽がさんさんと照り、広い空間には丸いテーブル、椅子、日よけの傘など準備が整っていてわくわくしました。
お店もあちこち出て、子供連れの人や遠くからみえた人、村の人などだんだんにぎやかになってきました。すぐ下には清流が流れ、木々の緑がさんさんと太陽の光を受けて輝いています。岩もあり、クマザサもさわさわと美しく、フジづるやその他、木々もいっぱいあり、川からの眺めはまるで奥山に行ったようです。
じっくりと自然を眺めながら飲んだ一杯のコーヒーのおいしこと、つくづく幸せを感じました。上伊那有志の団体が身近な自然を再認識してもらいたい、と計画したそうですが、本当にいいことで感動しました。
皆さんの苦労は大変なことでしょうが、自然が好きな私には最高でした。久しぶりにゆったりした気分になり、体が軽くなりました。本当にありがとうございました。 上伊那郡 唐沢孝子(主婦81)

風景×木製テント ”伊那谷マルシェテントproject”

屋外イベントで使用される日よけテントは、イベント全体の印象を大きく左右します。でも、おおむねホームセンターで手に入るバラバラの色・カタチのものが主体です。あれを素敵なものに置き換えていったら、随分素敵な風景になるんじゃないかな。

そう考えた私たちは、風景になじむ木製のテントをつくり、屋外イベントの風景を変えてみることにしました。伊那谷の風景×屋外テント・・伊那谷マルシェテントprojectのはじまりです。

【試作品づくり】

条件は、以下の3つ。
・赤松、唐松、杉など伊那谷由来の素材を主な材料として使用すること
・設置が簡単であること(女性一人で組めるのが理想)
・持ち運びは、軽トラックに乗るサイズであること
・価格は、できるかぎり抑えること(ホームセンターテントは1万円程度)

しかし、始めてみると、これは大変だということに気づきます。フレームに使用するには、木材、特に松では強度が出ないのです。また木によってそり・むくりがあり、直線の組み合わせで作る簡単なテントでも、平行が出ないなどの問題が出てきました。接合部の強度も問題です。大工素人が理由でもありますが、市販のテントが金属フレームである理由がよくわかりました。

【風にあおられて倒壊したフレーム】

要は、布一枚を浮かせたい。ただそれだけです。

試作を繰り返し、木製自転車屋さん、大工さん、家具職人さん、いろんな方からアドバイスを頂き、試行錯誤の末、試作品は完成しました。

左側が、一般的な日よけテント。右側が試作品です。これだけ単純な構造ですが、数え切れないほど小さな改善を積み重ねて、強度と重量をバランスしています。ただ、これだと設置が20分近くかかってしまうため、まだまだ改善が必要です。コストも材料代だけで15000円ほど。でも、伝えたかった世界観はこういうことなんです。

そんなわけで、楽しいトライアルはまだまだ続きます!

風景×オープンカフェ ”伊那谷オープンカフェproject”

伊那谷は、中央・南と2つのアルプスに挟まれた谷です。

そのため、谷の中からはどこからでもアルプスの山並みを眺める事ができます。3000メートル級の山脈を「2つ」常時眺められる、ここ以外では聞いたことがありません。壮大な山岳景観にひかれ、移り住む人も少なくありません。

一方、昔から暮らし続ける人には当たり前の風景です。「ここには何もない」と、言う人も少なくありません。この景色という資源をどう楽しみ、再認識してもらうか。

そこで、風景を楽しむ「場」を作ることにしました。

意外にも、伊那谷で車を止めて風景を楽しめる場所は多くありません。そこで、少し手を入れれば「いい風景」が楽しめる場所を見つけては、草刈り、薮払いなどの整備をし、そこで半日限りのオープンカフェを開く取り組みをしています。

名付けて、「伊那谷オープンカフェproject」。

【箕輪町 下古田区の展望台にて】

地元の人に地元の良さを知ってもらいたい。そのためには、まず訪れてもらう理由が必要です。そこで、質の高いカフェ空間をつくることにしました。一杯一杯ドリップしたコーヒーを、紙コップでなくカップ&ソーサーで提供し、空間はパラソルとゆったりした籐椅子、きちんとクロスをかけたテーブルに白シャツにエプロンのスタッフ。座ったお客様の目線の先には、雄大な南アルプス。

地元に回覧板中心で告知し始めましたが、結局下古田では半日で200人近い来場者がありました。地元の人が来場者に、「いいところだら」と話していたのが一番嬉しかったですね。これからもいい場所を見つけては、続けていこうと思っています。

森の風景×JAZZ ”森のJazzLive”

伊那谷はその名の通り、南アルプスと中央アルプスに挟まれた谷の地形です。谷の両翼は山並みへと続く豊かな森に囲まれます。

そんな森をもっと使ってみようということで、荒廃気味だった箕輪町の平林森林公園を舞台に、木の枝を片付けてチップにし、下草を刈り、東屋のペンキを塗り直し、気持ちのいい森を作ってみました。

しかし、今までほとんどだれにも知られていなかった公園。知ってもらい、使ってもらうには、まずはここに来てもらう理由が必要です。

そこで、音楽を掛け合わせてみることにしました。広島で森のJazzLiveという、野外ステージでの取り組みがあることをお聞きし、演奏者の皆さんに公園に来てもらうことにしました。この公園は地元の大出区の持ち物であるため、何より地元に来てもらいたい、と広報は回覧板で。どの位人が来てくれるか、心配でしたが、開演時には120人ものお客さんが来てくれ、素晴らしい演奏を楽しみながら、「地元にこんないいところがあったんだ」と森の存在に気付いてもらうことが出来ました。

2014年から始めたこの取り組みは毎年行われ、今年も6月に開催を予定しています。

最初はベニヤ板の上での演奏でしたが、2015年には地元の大出区の皆さんからの提供で、素敵な木製の野外ステージを作っていただき、区民の皆さんの憩いの場としても活用され始めています。

森の風景×JAZZ = 地元にある素敵な森を、地元の人が楽しむ。

詳しくは森のJazzLiveホームページからも

https://morijazz.jimdo.com/

「伊那谷らしい風景のみえる場所」 キャリアフェスin 伊那中

伊那谷郷土愛プロジェクトが主催する「キャリアフェスin 伊那中」に三風の会も参加しました。

地元企業のふるさとへの想いを伝え、子どもたちにふるさとの大切 さを知ってもらおうという取り組みです。

三風の会ブースでは、取り組みを知っていただくと同時に、生徒たちから、「伊那 谷らしい風景のみえる場所」を教えてもらいました。 また、伊那谷の景観をテーマに研究をする信州大学農学部の学生さんの協力により、 子どもたちに風景を専門とする学問や職業があることを伝えました。

<みんなに教えてあげたい「伊那谷らしい風景 のみえる場所」をマーキング。>

<教えてもらったその場所で、 コーヒーを飲みましょう。>

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