風景×木製テント ”伊那谷マルシェテントproject”
屋外イベントで使用される日よけテントは、イベント全体の印象を大きく左右します。でも、おおむねホームセンターで手に入るバラバラの色・カタチのものが主体です。あれを素敵なものに置き換えていったら、随分素敵な風景になるんじゃないかな。
そう考えた私たちは、風景になじむ木製のテントをつくり、屋外イベントの風景を変えてみることにしました。伊那谷の風景×屋外テント・・伊那谷マルシェテントprojectのはじまりです。
【試作品づくり】
条件は、以下の3つ。
・赤松、唐松、杉など伊那谷由来の素材を主な材料として使用すること
・設置が簡単であること(女性一人で組めるのが理想)
・持ち運びは、軽トラックに乗るサイズであること
・価格は、できるかぎり抑えること(ホームセンターテントは1万円程度)
しかし、始めてみると、これは大変だということに気づきます。フレームに使用するには、木材、特に松では強度が出ないのです。また木によってそり・むくりがあり、直線の組み合わせで作る簡単なテントでも、平行が出ないなどの問題が出てきました。接合部の強度も問題です。大工素人が理由でもありますが、市販のテントが金属フレームである理由がよくわかりました。
【風にあおられて倒壊したフレーム】
要は、布一枚を浮かせたい。ただそれだけです。
試作を繰り返し、木製自転車屋さん、大工さん、家具職人さん、いろんな方からアドバイスを頂き、試行錯誤の末、試作品は完成しました。
左側が、一般的な日よけテント。右側が試作品です。これだけ単純な構造ですが、数え切れないほど小さな改善を積み重ねて、強度と重量をバランスしています。ただ、これだと設置が20分近くかかってしまうため、まだまだ改善が必要です。コストも材料代だけで15000円ほど。でも、伝えたかった世界観はこういうことなんです。
そんなわけで、楽しいトライアルはまだまだ続きます!